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親愛なる子供たちへ

先日、久しぶりにお世話になっている先輩の治療所を訪ねました。二人でお会いするのは久々で、治療の話、ゴルフの話、子育ての話と話題は尽きなかったのですが、話の中で介護の話が非常に印象の残りました。

 

その先輩も親御さんの介護をなさっているのですが、ある詩をいつも心にとめているのだそうです。その詩を見せていただいたのですが、今私自身も少しずつ弱ってきている親を見ているので身に染みる思いがしました。

 

その詩は、作者は不明で元々ポルトガル語で書かれていたようなのですが、それを見た方が感銘を受け日本語に訳し曲をつけたそうです。恥ずかしながら私は全く知らなかったのですが、2009年にレコード大賞優秀作品賞と有線大賞を受賞していますのでご存じの方も多いのではないでしょうか。

 

詩の内容は、年老いた親が子供に宛てたメッセージになっています。普段両親と接しているとついつい感情的になってしまいがちですが、この詩を読んでいると少し肩の力が抜けるような気がします。

 

歌っている方は、熊本出身の難病を抱えながら活動しておられるシンガーソングライターの樋口了一氏です。恥ずかしながらこの方のことも存じ上げませんでした。YouTubeにギター1本でのひき語りをされている動画があります。詩を読むのとはまた違った感じを受けます。

 

以下、その詩です。

 

手紙、親愛なる子供たちへ

 

年老いた私が、ある日今までの私と違っていたとしても、どうかそのままの私のことを理解して欲しい

私が服の上に食べ物をこぼしても、靴ひもを結び忘れても、あなたに色んなことを教えたように見守って欲しい

あなたと話す時、同じ話を何度も何度も繰り返してもその結末をどうかさえぎらずにうなずいて欲しい

あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は、いつも同じでも私の心を平和にしてくれた

 

悲しいことではないんだ、消え去ってゆくように見える私の心へと励ましのまなざしを向けて欲しい

楽しいひと時に、私が思わず下着を濡らしてしまったり、お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい

あなたを追い回し、何度も着替えさせたり、様々な理由をつけていやがるあなたとお風呂に入った、懐かしい日のことを

 

悲しいことではないんだ、旅立ちの前の準備をしている私に、祝福の祈りをささげて欲しい いずれ歯も弱り、飲み込むことさえ出来なくなるかも知れない

足も衰えて立ち上がることすらできなくなったなら、あなたがか弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたようによろめく私に、どうかあなたの手を握らせて欲しい

私の姿を見て悲しんだり、自分が無力だと思わないで欲しい

 

あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらい事だけど、私を理解して支えてくれる心だけは持っていて欲しい

きっとそれだけでそれだけで、私には勇気が湧いてくるのです

あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ってたように、私の人生の終わりに少しだけ付き添って欲しい

あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと、あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい

 

私の子供たちへ

愛する子供たちへ

介護