
鍼灸師が教える「こんなに違う注射針と鍼灸針」
2015/01/11
鍼治療は「痛い・怖い」というイメージを持たれている方は少なくありません。鍼治療を受けられて残念ながら痛い思いをされたり、刺激が合わなくて少し調子を崩されたご経験をお持ちの方は仕方がありませんが、鍼治療を避けられている方で受けたことのない方が多いことが残念でなりません。針は痛いというイメージだけで避けておられる方に少しでもそのイメージが払拭できればと思います。
針というとどうしても注射針や裁縫針を想像してしまうからかもしれません。確かに名称は針と同じですが、実は注射針や裁縫針と鍼灸針とは似て非なるもの。全く違うものなのです。違いは大きく分けて2つあります。
①太さが全く違います。
一般に採血で使われている針は0.7mmです。鍼灸針も様々な太さがありますが、一般的によく使われている鍼で0.2mmですので、その差はなんと0.5mmもあります。
上の写真を見ていただくと一目瞭然!鍼灸針はかなり細いのです。細ければ細いほど刺す時の痛みが少ないことは言うまでもありません。実際無痛針と言われている注射針がありますが、その太さは0.2mm。鍼灸針と同じです。
②これは知らせていないと思いますが、注射針と鍼灸針とでは鍼先の進み方が全く違います。
まずあまり注射針は、血管に刺すことが目的ですから当然皮膚や組織を切り裂きながら鍼先は進んでいきます。組織を切り裂いていきますので、痛みも出やすく鍼を抜くと必ず血が出ます。一方鍼灸針の方は、鍼が細いため身体の組織を切り裂きながら鍼先が進むのではなく、かき分けながら進んでいきます。ですので、鍼を抜いてもほとんど血がでません。組織を切り裂いていく注射針とは根本的に違います。
注射針を全身に刺されることを想像するとそれは拷問に近いものがありますが、鍼灸針は細く尚且つ痛みもそれ程感じることなく受けていただけます。受けられたことのない方は、是非一度お近くの鍼灸院でご体験ください。
このブログを読まれて、鍼治療は怖いというイメージが少しでも和らげることができましたら幸いです。
颯鍼灸院
上田貴弘